年末なので、BtoB事業における最新のXノウハウ、徹底解説します

徹底解説します

実は私、今年の9月にX(旧Twitter)のビジネスアカウントを立ち上げたものの、最初の2ヶ月ほどはほとんど稼働させずに放置していました。ところが、しっかりインバウンドチャネルとして機能させたいと思い1ヶ月ほど前から本気で運用を始めたところ、フォロワー千人未満にもかかわらず、たった1ヶ月で300件前後のリードを獲得することができました。またアポイントも50件以上獲得し、なかには誰もが知っている企業様とのお取引が決定するなど、しっかりと売上にも反映することができました。

実は私はこれまでtoCの領域でX運用していたので一定自信はありましたが、「無名のベンチャー企業・アカウント開設してまもない・初めてのtoB」ということもあり、正直ここまで短期間で反応が得られるとは想像していませんでした。改めてXのインパクトを思い知ることができました。

おそらく現状、BtoB事業においてXを有効活用している事例はそこまで多くないと思ってます(なかにはすごく上手く運用されている方も存じ上げております)。そうした状況から、「どうやってそんなに取れてるの?」「具体的な手順や工夫を聞かせてほしい」といった質問や問い合わせを多数いただくようになりました。そこで、これまでの運用手法や得られた成果を整理し、体系的な形で共有するために、今回の記事を作成することにしました。

【ノウハウ解説】

◆前提

ノウハウを具体的に落とし込んでいくうえで、実は重要なポイントは無数に存在します。ただ、それを全部書き並べても、「どれが一番大切なの?」と混乱してしまう可能性が高いと思いました。そこで、わたし自身が短期間で成果を出すためにとくに意識したエッセンスを「5つ」に厳選することにしました。もちろん実際には細かいテクニックや補足事項もあるのですが、この5つをしっかり高次元で踏まえておくことで、BtoBに限らずさまざまな領域で応用が利くはずです。すべてを羅列するよりも、この5つだけに集中して行動することで、きっと「本質的な部分」を掴み取りやすくなるのではないでしょうか。

①持つべきスタンス

まず、今回のノウハウを実践するうえで大切なのは「フォロワー数を追わない」という考え方です。おそらく多くの方が既に真逆のアプローチをとっているのではないでしょうか?Xを運用していると、フォロワーを大量に集めるための企画やフォロワー同士で相互フォローするような行為をよく見かけますが、ビジネスの成果を求めるうえでは必ずしも得策とは言えません。なぜなら、ターゲット外のユーザーが増えれば増えるほど、自分が発信する有益な情報が届く相手が分散してしまい、投稿のエンゲージメントが下がりアカウント評価も下がってしまう可能性が高いからです。さらに、フォロワーが増えて“認知度”だけが高まったとしても、それが肝心のビジネスとつながっていなければ結局はただの数字に終わってしまいます。もちろん「フォロワーを増やすこと自体」を目標としている方もいらっしゃるので、そこに正解・不正解はありません。最終的には「何を信じるのか、何を大事にするのか」が大切な判断軸になるでしょう。

わたし自身が重視しているのは、「狭いターゲットに刺さる情報を深く発信する」ことです。自分の情報を本当に必要とする方に向けて濃いコンテンツを提供していけば、最初は少人数であっても、その投稿は必要としている人たちの間で自然と広まっていきます。たとえフォロワー数が多くなくても、意外なほど多くの問い合わせやリードが生まれるのは、まさに“深く刺さる情報”の力のおかげです。「フォロワーを増やすためだけの企画」よりも、読み手にとって有益な発信や、心を動かす言葉を積み重ねるほうが最終的には強力な拡散力を得られるはずです。そう考えると、ただやみくもにフォロワーをかき集めるのではなく、自分の世界観や専門性を表現できる良質なコンテンツ作りにエネルギーを注ぐほうが、結果としてビジネスの成果につながる可能性ははるかに高いと言えるでしょう。

②投稿発信の前に、導線を最適化する

投稿の内容やアイデアを練る以前に、最も重視したいのが“CV(コンバージョン)の受け皿”をしっかり作り、そこへ自然に誘導する導線を最適化することです。ところが、多くの人はこの「適切な受け皿づくり」をすっ飛ばしてしまい、投稿やフォロワー数の拡大ばかりを先行させてしまいます。結果的に、穴の空いたバケツに水を注ぎ続けるような非効率な状態に陥ってしまうのです。

では、具体的にどのような導線が考えられるのかというと、大きく三つの流れが挙げられます。一つ目は「①投稿から固定ツイートへつなぐ」方法。二つ目は「②投稿からプロフィールへ誘導する」パターン。そして三つ目は「③投稿からDMへ直接アプローチする」手法です。

なかでも①と②に共通するポイントは、固定ツイートやプロフィールにしっかりCTA(コールトゥアクション)を置いておくことにあります。ここでいうCTAとは、お役立ち資料のダウンロードや無料セミナー、問い合わせフォームなど、読み手が次に何をすればいいか明確になる“次のアクションのきっかけ”です。無料相談とお役立ち資料の二つを並行して案内するなど、潜在層と顕在層のニーズを両方満たす仕掛けも有効でしょう。

そして三つ目の「③投稿からDMへ」の流れは、最近のX運用で注目されている方法の一つです。最初からDMへの誘導を狙うのではなく、いったんリプライを活用して会話を広げると、投稿そのものもエンゲージメントが高まり、X内部の評価が上がりやすいと言われています。リプで興味関心を示してくれた人とのやり取りを経て、その後にDMで具体的な相談や問い合わせへと発展させる、というのが非常にスムーズです。

こうして“最適な受け皿”を作り、その導線に沿って読者を自然に導いていくことで、万が一バズが起きても取りこぼしが減り、リード獲得や契約への転換率が格段に高まります。言い換えれば、ただ単に大きな反響を狙うのではなく、バズった際にもきちんとCVにつながる仕組みづくりを優先しよう、というわけです。

③バズらせ方

まず前提として、バズを起こすためのポイントは正直言って無限にあります。完全なテンプレートや公式ルールがあるわけではなく、タイミングや運要素も関わってくるからです。ただ、ここでは事例ベースで共通して見えてきた“要因”をまとめることで、再現性を高めるヒントをつかんでいただければと思います。

今回ご紹介する事例は、実際に直近バズった下記の二つの投稿です。特に一つ目はフォロワー700人くらいの時の投稿でしたが、50万インプレッションを獲得しました、もちろん狙って起こしたインプです。それでは具体的に、どんな要素が“バズ”につながったのかを掘り下げてみましょう。

編集

キャプションを入力(オプション)

編集

キャプションを入力(オプション)

最初に重視すべきなのは、一文目で読み手の好奇心をグッと掴むという点です。ツイートがタイムラインに流れてきたとき、人は最初の数文字~一文で「読む・読まない」を瞬時に判断します。だからこそ「え、どういうこと?」と興味をそそるフックを入れられるかどうかが鍵になります。例えば「LinkedInを使えば営業の常識が変わる。〜」「昔、年商100億くらいの社長が会食でポロっと、〜」などはこれを狙った良い例です。

次に意外性を出すことも欠かせません。SNSには情報が溢れているので、ありきたりな内容では「既知の情報」と捉えられてしまい、すぐに離脱されてしまいます。「そんな視点あるんだ」「確かにそこは盲点だった」という驚きを提供できるかどうかで、拡散スピードは大きく変わります。例えば「キーエンスやSalesforceは〜営業は強くない。」というのは、一般的な認識の真逆を言っているため、意外性を持たせることができました。

そして、読みやすさも非常に重要です。どれだけ素晴らしい情報を盛り込んでいても、文章が長くて段落のメリハリがないと、流し読みの中で離脱されがちです。特にXは、他にも無数のコンテンツが同時に流れてくるので、スッと目に入ってきてサクッと読める表現を心がける必要があります。また、ふわっとした内容よりも定量的かつ具体的に示すことで、読み手の満足度は一段と高まります。たとえば「月に〇件のリード」や「◯◯万円のコスト削減」といった数字を出すと、一気に投稿の説得力が増すわけです。おそらくどちらの投稿も詰まることなく「すーっと」読むことができるのではないでしょうか?

さらに、賛否両論を引き起こす要素もバズには欠かせないと感じています。意見が分かれるテーマや大胆な主張は、リプや引用リツイートを呼びやすいため、自然と拡散されていきます。大切なのは「こう考える理由がある」という軸をしっかり示しつつ、スタンスを切ることです。情報が溢れるこの時代、曖昧な立ち位置のまま「どちらにも理解を示す」スタイルでは、なかなか記憶に残らないのです。今回だと、「キーエンスやSalesforceの仕組みは素晴らしいだろ!」「ベンチャーで売りまくってる人は詐欺まがいだ」といった反論が一定生まれ、拡散に成功しました。

また、多くの人が「すぐに使える」「ラクにできる」と感じる有益なノウハウを含めることも好印象を生みます。人は小難しい理論よりも、シンプルに実践できる解決策を求めがちです。だからこそ「ここをちょっと変えればこうなりますよ」という具体的かつ即効性のあるアイデアは、読者のモチベーションを高め、シェアやお気に入りを誘発しやすくなります。

さらに小手先ではありますが、大企業の名前や業界で話題のサービスなど、読者の目を引く固有名詞をうまく使うのも効果的です。特に今回の事例では「上場企業の部長クラス」「キーエンス」「Salesforce」など、誰もが一定興味を引かれるキーワードを冒頭から取り入れていました。

最後に、そもそも自分のフォロワーが何を求めているのか、あらためて把握することが不可欠です。もし営業に関心のある層が多いなら、営業に関するノウハウや事例を出したほうが反応が高まるでしょう。逆に、エンジニアやクリエイターのフォロワーが中心なのであれば、そちら向けの専門性やツールの使い方などをメインで発信すべきです。こうしたフォロワーの興味関心を踏まえることで、読み手にとってど真ん中のコンテンツが完成し、結果としてバズが起きる土台が整うわけです。

まとめると、バズを狙うには、最初の一文、意外性、読みやすさ、具体性、賛否両論、有益なノウハウ、大企業などの固有名詞活用、そしてフォロワーの求めるものの把握、といったポイントをどれだけ高いレベルで満たせるかが勝負になります。今回挙げた二つのバズ事例を参考に、まずは自分ならではの“意外性”と“有益性”をどう掛け合わせるかを考えてみてください。上手くハマれば、小さなアカウントでも十分バズを生み出していけるはずです。

④効率的に運用する

Xで成果を出したいと思いつつも、経営者や営業・マーケターといった忙しい方々が、四六時中フルコミットするのは現実的ではありません。ですから、いかに効率よく運用しながら継続する仕組みを作るかが最大のカギになるわけです。どれだけノウハウを知っていても、毎日膨大な時間を割けないのが普通ですし、続けられなければ結果も得られません。そこで、私自身が実践している具体的なコツをいくつかご紹介します。

まずは「週末に予約投稿を仕込む」ことをおすすめしています。平日は打ち合わせや営業活動でバタバタと過ぎてしまうことが多いので、落ち着いた時間を取りづらい方も少なくないはずです。そこで土日に一週間分の投稿をまとめて用意し、予約投稿の機能を活用することで、平日は最低限の管理や反応だけで済ませられるようにしています。また、Social dogというツールを活用すれば「一括予約」ができるので、予約工数も大幅に削減できます。

次に「適度にChatGPT o1 Proを活用する」というのも効果的です。ChatGPT o1 Proは12月にリリースされたバージョンですが、正直めちゃくちゃ精度が高いです。Xにも上手く活用することで大幅な工数削減ができるでしょう。ただし、使いすぎは文章の個性や人間味を失わせる恐れがあるので要注意です。

さらに、投稿を“使い回す”ことも意識してみてください。実は何ヶ月か間を空ければ、以前と同じテーマの投稿でも大半の読者は新鮮に受け取ってくれます。Xは情報の流れが早いので、少し時間が経てば過去投稿の内容を覚えている人はほとんどいないので「これもう投稿しちゃったから…」と躊躇する必要はありません。みなさん、好きなアニメを想像してください。その第7話の内容、覚えてますか?多分覚えてないと思います。

最後に、「日頃思いついたネタをストックする」習慣づくりもおすすめです。人間、デスクに座って「さあ、いまからツイートのネタを考えるぞ」と思っても、意外とアイデアは出てこないものです。むしろ通勤途中や会話中、何気ない瞬間に「あ、これ面白いかも」と閃くケースのほうが多いのではないでしょうか。そうした小さなヒントをスマホのメモやタスク管理アプリなどに蓄えておくと、いざ投稿内容を考えるときにスムーズにネタを引っ張り出せます。こうした仕組みづくりを徹底することで、忙しい方でも無理なくX運用を続けられるはずです。

⑤結論、マーケターになる

最後に強調しておきたいのは、X運用で成果を出したいなら“マーケター”になる気概で取り組みましょう、という点です。わたし自身は営業支援事業をメインで手がけていますが、実はマーケター寄りの資質であり、それが結構生きていると思ってます。数を追う営業とは異なり、最適なターゲットを深掘りし、その人たちの興味を引くコンテンツを的確な導線で届けるーーこの一連のプロセスこそがマーケの真髄です。むしろこの“マーケ的な考え方”がしっかりしていないとマーケのみならず、営業や事業拡大の効率や成果も最大化されません。逆に言えば、マーケティングをしっかり学んでおけば、どんなビジネスフィールドでも活用できますし、SNSを活かした新しい顧客接点の作り方も見えてくるでしょう。だからこそ、「営業=現場主義だけ」に留まらず、“マーケターのマインド”を身につけることこそが、これからの時代に最速で成果を上げる近道だと考えています。

◆締め

いかがだったでしょうか?最初はラフに書き始めたのですが、勢いづいて想定の100倍長くなってしまいました(笑)ここまで読んでいただき、「あ、これなら自分でもできそう」と少しでも思ってもらえたなら、とても嬉しく思います。もちろん、実際に運用していく中で迷いや疑問が出てくることもあるかもしれませんが、そんなときはいつでも遠慮なくご相談ください。わたし自身も「もっと早く始めればよかった」と思うほど、Xには大きなチャンスがあります。これを機に、来年はぜひ思い切り活用していただきたいです。では、どうぞ良いお年をお迎えください!

This will close in 0 seconds