営業で成果を出したり、効率化させたりするために役立つのが「トークスクリプト」です。
本記事では、テレアポに悩むあなたのためにトークスクリプトの基本と活用法を徹底解説します。
スクリプトを使うメリットから基本構成や具体的な例文、受付突破や断り文句への切り返し方法まで網羅しています。
テレアポで成果を出すための施策36選
テレアポのトークスクリプトとは
テレアポのトークスクリプトとは、電話営業で顧客と会話を進めるための台本やガイドラインのことです。
挨拶や自己紹介にはじまり、話の展開や商品・サービスの説明、想定される質問への回答、クロージングの切り出し方までが含まれます。
いわば「アポ獲得の成功率を高めるための会話マニュアル」です。
トークスクリプトを用意しておけば、電話営業が初めてのスタッフでもスムーズに会話を進めやすくなります。
何を話すか事前に骨組みが決まっているため、「次に何を言おう…」と頭が真っ白になる不安が軽減し、新人でも自信を持って対応できるようになります。
また、誰が電話しても一貫したメッセージを伝えられるので、顧客に与える印象を社内で統一できます。
ただし、スクリプトはあくまで土台であるため、相手の反応に合わせた柔軟なアドリブも重要になります。
決められた文章を機械的に読むだけでは「また営業電話か」と思われかねません。
スクリプトを軸にしつつ、自然な対話を心がけることで初めて効果を発揮する点も覚えておきましょう。
テレアポのトークスクリプトがもたらすメリット

トークスクリプトを活用することで得られる主なメリットをご紹介します。
トークスクリプトは単なる会話例ではなく、チーム全体の武器になり得ます。
1|組織全体のテレアポスキルがアップする
スタッフ間のスキルばらつきを減らし全体の底上げに繋がる
2|経験が浅い営業マンでも成果を出せる
短期間で営業トークの型を習得でき心理的負担が軽減する
3|一部のエース人材に頼る必要がなくなる
属人的な営業から脱却し誰でも再現性のある結果を出せる
組織全体のテレアポスキルがアップする
トークスクリプトを社内で標準化すると、スタッフ間のスキルばらつきを減らし、全体の底上げにつながります。
テレアポは基本的に各人が個別に行う業務のため、経験やセンスによって成果が偏りがちです。
しかし、全員で共通の「話し方・流れの型」を共有すれば品質を均一化できるのです。
誰が電話しても一定のクオリティが担保され、一部のエース社員だけに頼らなくても済むようになります。
さらに、「この言い回しに変えたら反応が良くなった」といった知見の共有もしやすくなり、チーム全体のスキル向上に役立ちます。
経験が浅い営業マンでも成果を出せる
新人のうちはテレアポで何をどう話せば良いか分からず、不安でいっぱいですよね。
トークスクリプトはそんな経験の浅い営業マンの強い味方です。
あらかじめ基本の言い回しや話す順序が決まっていれば、短期間で営業トークの型を習得できます。
スクリプトに沿って話せば「会話の途中で何を言えばいいか分からなくなる」といった不安も和らぎ、心理的負担が軽減します。
実際に成果を出しているベテランのトークを落とし込んだスクリプトであれば、新人でも同じ流れで提案できるため結果に結びつきやすくなるでしょう。
このように、スクリプトは新人の早期戦力化にも大きく貢献します。
一部のエース人材に頼る必要がなくなる
「トップ営業の○○さんだけが毎月アポを量産している…」という状況だと、組織としての安定した成果は望めません。
トークスクリプトを整備すれば、属人的な営業スタイルから脱却し、誰でも再現性のある結果を出せる仕組みができます。
特定のエースに頼らずとも、全員が一定水準のトークを実践できるのは大きなメリットです。
また、スクリプトという共通フォーマットがあることで、先輩の成功パターンを後輩に共有・展開しやすくなるでしょう。
営業ノウハウの組織内共有が進み、チーム全員で勝ちパターンを磨けるため、結果的に組織全体の営業力強化につながります。
プロの力を借りてテレアポスキルを上げたい場合は、営業代行会社に依頼するのも1つの手です。
株式会社Emoooveであれば、テレアポを含めた複数チャネルで経営層に直接アプローチします。
通常よりも短期間で商談を創出できるうえ、内製化もサポートも行えるため、プロのノウハウを吸収したい場合はぜひご相談ください。
テレアポのトークスクリプトの基本構成
テレアポのトークスクリプトは、典型的には次のような6つのパートで構成されます。
それぞれの場面で意識すべきポイントを押さえておけば、電話の成功率は格段にアップします。
以下に基本的な構成要素を紹介し、そのコツを詳しく解説します。
1|1.挨拶・自己紹介
明るい声で会社名と名前を名乗り最初の10秒で好印象を
2|2.つかみ(フロントトーク)
相手のメリットになる情報や質問で興味を引くのがポイント
3|3.課題のヒアリング
相手に話してもらうことが成功への鍵、誠実に関心を寄せる
4|4.提案・価値提示
相手の課題に寄り添った価値提供を意識し簡潔に伝える
5|5.相手の要望に沿って提案内容を調整
相手の反応に応じてトークを微調整する柔軟さが求められる
6|6.クロージング
具体的な次のアクションとしてこちらから日時を提示する
1.挨拶・自己紹介
電話をかけて最初の10秒は相手が最も集中して話を聞いてくれる時間です。
この間に「誰からのどんな電話か」を手短に伝え、相手に安心感を与えられるかが勝負になります。
明るい声で会社名と自分の名前を名乗りましょう。
「お忙しいところ恐れ入ります。株式会社○○の△△と申します」といった形で、丁寧かつハキハキと自己紹介します。
第一声の印象はその後の展開を左右します。
ビジネスの電話であれば「いつもお世話になっております」といったフレーズも効果的です。
最初の挨拶で好印象を与えることが、受付突破や話を聞いてもらうための第一関門となるのです。
2.つかみ(フロントトーク)
挨拶の後は、本題に入る前の「つかみ」のひと言を用意しましょう。
最初の10秒で興味を引けるかどうかが、相手が電話を続けてくれるかの瀬戸際です。
そのため、相手にメリットがありそうな情報や質問を投げかけるのがポイントです。
- 「実は、御社の業績に関係なく簡単に売上アップできる方法があるのですが」
- 「1ヶ月で○○万円コスト削減した事例をご案内しているのですが」
- 「ご自宅の電気代、簡単に節約できる方法があるんですが…」
個人相手なら、生活上の関心事を刺激するのも良いでしょう。
大事なのは、相手が「ん?それは何だろう」と感じる種をまくことです。
一方で「○○のご案内でお電話しました…」といったいかにも営業然とした切り出しは敬遠されます。
営業電話と悟られにくい言い回しを工夫し、相手の興味をつかみましょう。
3.課題のヒアリング
つかみで相手の注意を引いたら、こちらばかり話し続けずに相手の状況やニーズをヒアリングする段階に入ります。
- 「現在◯◯についてお困りのことはございませんか?」
- 「◯◯で何か改善したい点などありますか?」
質問することで相手の抱える課題や関心事を引き出し、会話を双方向に進める狙いがあります。
ヒアリングでは、相手の話にしっかり耳を傾けましょう。
相槌も打たず一方的に話し続けると、「この人は自分の話を聞いていない」と感じさせてしまいます。
逆に、相談に乗る姿勢で悩みを聞き出せれば、「自分のために親身になってくれている」と好印象を与えられます。
4.提案・価値提示
相手の課題やニーズを聞き出したら、その解決策として自社の商品・サービスの提案を行います。
闇雲に商品説明をするのではなく、相手の要望にマッチしたメリットを強調することが重要です。
以下のように、導入事例や数字を入れるなどの工夫をしたうえで、相手の課題に寄り添った価値提供を意識しましょう。
- 「ヒアリングしたところ○○でお困りとのことでしたので、弊社の△△を使えばその点を〇〇のように改善できます」
- 「実際に他社で○○%のコスト削減に成功した事例があります」
提案はできるだけ簡潔に、ポイントを絞って伝えます。
詳しい機能説明などはアポイント取得後の商談に回して構いません。
テレアポの目的は、あくまで興味を持ってもらい次のステップにつなげることです。
そのため、相手が「もう少し話を聞いてみたい」と思う程度に情報を厳選するのがコツです。
5.相手の要望に沿って提案内容を調整
提案を伝えた後、相手から何らかの反応や質問が返ってくることが多いです。
その内容に応じてトークを微調整する柔軟さが求められます。
「今は特に必要性を感じていない」と言われたら、「そうですよね」と一度受け止めてから別の角度の情報提供に切り替える
一度相手の否定を受け入れてから話題を振り直すことで、押し売り感を和らげつつ興味を引き戻す効果があります。
相手の発言を踏まえて臨機応変にトークをアレンジすることで、会話が途切れず前向きな方向に進みます。
また相手の質問には的確に答えつつ、再度こちらの提案ポイントに話を戻すテクニックも有効です。
トークスクリプト上でも、想定される相手の反応パターンごとに分岐シナリオを用意しておくと安心でしょう。
6.クロージング
最後はアポイント獲得のクロージングです。
提案内容に相手が前向きであれば、スムーズに「では一度詳しくお時間をいただけませんか?」と商談の提案に入りましょう。
まだ迷っている様子なら、「必要かどうか判断するのは〇〇様ですので、ご興味なければその場でお断りいただいて大丈夫です」と伝えつつ、それでも一度話す機会を打診します。
クロージングで大切なのは、具体的な次のアクションを提示することです。
- NG例「ご検討ください」
- OK例「〇月〇日の午後に30分ほどお時間をいただけませんか」
相手が日時を決めかねている間に気が変わるケースもあるため、こちらから候補を提示して主導権を握ることがポイントです。
最後に念のため先方の連絡先や訪問先住所などを確認し、丁寧にお礼を述べて電話を終えましょう。
テレアポのトークスクリプトのテンプレート例文
基本構成を踏まえて、実際にどのようなトークスクリプトになるのか具体例を見てみましょう。
「個人向け」と「法人向け」のケースで、それぞれ想定シナリオ別に例文を紹介します。
自分の商材やターゲットに近いパターンを参考に、スクリプト作成のイメージを掴んでください。
1|個人向け
専門用語を避け分かりやすい言葉で安心感を与えるのがコツ
2|法人向け:担当者が電話に出た場合
具体的な数字や他社事例を交え説得力を持たせることが重要
3|法人向け:担当者以外が電話に出た場合
いかにスムーズにキーマンに取り次いでもらうかがポイント
個人向け
シナリオ: 不用品の出張買取サービスのテレアポを、個人宅にかける場合の例です。
一般家庭の主婦や高齢者をイメージしています。
挨拶:「もしもし、突然のお電話失礼いたします。」
自己紹介:「私、○○買取サービスの△△と申します。」
つかみ(フロントトーク):「お住まいの地域で、家具や家電の出張買取キャンペーンを行っておりまして、お引っ越しやお片付けで出てきたご不要な品はございませんか?」
本題(提案・質問):「ちょうど現在、◯◯市限定で出張料無料キャンペーンを実施中です。どんな物でも査定いたしますので、もし押入れなどに眠っている不用な品があればお聞かせいただけますか?」
切り返し:「今は特にないですか、承知しました。もし将来出てきた場合でも無料で伺えますので、その際はぜひご検討ください。」
クロージング:「ちなみに、一度無料で査定だけでもいかがでしょうか?ご希望があれば日程を調整いたします。」
日程調整:「明日でしたら午前と午後どちらでも伺えますが、ご都合いかがでしょうか?」
個人向けの場合、相手は一般消費者ですので専門用語を避け、分かりやすい言葉で伝えることが重要です。
例のように、電話の目的(不用品買取)とメリット(キャンペーンでお得、どんな物でもOK)を簡潔に伝えましょう。
また、相手の状況に寄り添った問いかけ(引越しや片付けで不要品は?)をすることで、「そういえば使ってない家具があるかも…」と考えてもらえます。
個人宅向けでは相手に安心感を与え、押し付けがましくないトーンで進めるのがコツです。
法人向け:担当者が電話に出た場合
企業向けの業務効率化ツールを販売する会社が、中小企業の担当者に直接電話をかけた場合の例です。
すでに担当者につながった想定で作成しています。
挨拶:「いつもお世話になっております。」
自己紹介:「株式会社○○の△△と申します。私は御社向けの業務改善コンサルティングを担当しております。」
つかみ(フロントトーク):「本日は、御社で現在お使いの業務システムについて少しお伺いしたいことがありご連絡いたしました。」
本題(提案・質問):「弊社では◯◯業界の他社様にも導入いただいているクラウド型AI業務支援ツールをご提供しています。御社のように複数部署で業務を展開されている企業様では、導入後すぐ効果が出やすい傾向がありますが、現在社内の業務効率化で何かお困りの点はございますか?」
切り返し:「ありがとうございます。今お話に興味を持ってくださったとのことで、本日は概要だけ簡単にお伝えしますね。詳細な資料も後ほど送付できますのでご安心ください。」
(もし「今は間に合っているよ」と言われた場合):「承知しました、無理に今すぐとは考えておりませんのでご安心ください。ただ実は多くの企業様が“最初は間に合っていると思ったが話を聞いて有益だった”とおっしゃってまして…。少しだけ具体的な事例をご紹介させていただけませんか?」
クロージング:「ぜひ一度、オンラインで構いませんので詳しくご説明する機会をいただければと思いますが、いかがでしょうか?」
日程調整:「来週の○月○日(水)午後に30分ほどお時間いただけますと幸いです。難しければ他の日程も調整可能です」
法人向けで担当者(キーマン)に直接つながった場合、最初から専門的な話題にも踏み込めるぶん、こちらの準備がものを言います。
業界知識や導入事例などもしっかり把握した上で、相手企業に合ったメリットを伝えましょう。
上記例では、複数部署に展開している企業だという前提で「すぐ効果が出やすいですよ」とアピールしています。
法人相手には、個人向け以上に具体的な数字や他社事例を交えて説得力を持たせることが重要です。
また、直接担当者と話せる貴重な機会でもあるため、電話の場で簡単なアポイント日時まで決めるのが理想です。
「オンラインで30分だけ」などハードルを下げた提案をすると受けてもらいやすくなります。
法人向け:担当者以外が電話に出た場合
業務効率化ツールの営業で、最初に電話口に出たのが受付や別部署の方だった場合の例です(キーマンに繋いでもらうところから始めます)。
法人向けで最初に受付や別の方が出るケースでは、いかにスムーズにキーマンに取り次いでもらうかがポイントです。
挨拶:「お世話になっております。」
自己紹介:「私、株式会社○○の△△と申します。実は御社の業務改善についてご担当の方にご相談したい件があり、お電話いたしました。」
つかみ(フロントトーク):「恐れ入りますが、業務効率化やDX推進を担当されている◯◯様はいらっしゃいますでしょうか?」
(担当者不在/要件を問われた場合):「承知しました。それでは改めて資料をお送りしたく思いますので、担当者様のお名前とご連絡先だけお伺いできますか?」
本題(担当者に繋がった後):「突然のご連絡失礼いたします。弊社、AIを活用した業務効率化ツールを提供しており、御社と同業の△△社様などでも生産性が◯%向上した事例がございます。現在、御社内で業務の自動化など検討中の課題はございますか?」
切り返し:「ありがとうございます。すぐのご導入でなくとも結構ですので、今後のご参考に事例資料だけでもお送りできればと思います。」
クロージング:「では詳細につきまして、改めてオンラインで少しお時間いただけませんでしょうか?」
日程調整:「○日か○日であれば◯◯様のご都合いかがでしょうか?後ほど日程調整のご連絡を差し上げても構いません。」
上記例では、「業務改善のご担当に相談したい件が…」と切り出し、担当者名をできる限り名指します。
電話をすぐ切られないためには「すぐ終わりますので1~2分だけお時間よろしいでしょうか?」と伝えて、相手の時間を取らせない姿勢を示すのも有効でしょう。
担当者につながらなかった場合は無理をせず、資料送付の許可をもらい担当者名を確認する戦略も大切です。
その際、「資料送付後に改めてお話できれば」と伝えておけば、次回架電時に「先日資料を送付した件で…」と切り出せるので繋がりやすくなります。
法人向けではこのように複数回に分けて接点を持つ戦略も視野に入れ、シナリオを複線的に準備しておくと良いでしょう。
テレアポのトークスクリプト作成のポイント
効果的なトークスクリプトを作成し運用するために、押さえておきたいポイントがいくつかあります。
型通りに文章を用意するだけでなく、戦略的な視点や継続的な改善が成功のカギです。
以下のポイントを念頭において、自社に最適なスクリプトを練り上げましょう。
1|アポイントの目標を明確にする
テレアポで何を達成したいのかを定めスクリプトを調整する
2|質問内容を想定して回答を用意する
よくある質問や断り文句への切り返しを事前に準備しておく
3|電話営業前に相手の課題やニーズを分析する
相手の情報を収集し響きそうなトークの糸口を準備する
4|過去の経験から効果的な言い回しを組み込む
PDCAを回し効果的だったフレーズを取り入れ改善していく
5|一方的に話し続けない
会話のキャッチボールを意識し相手の話を聞くことが重要
アポイントの目標を明確にする
最初にテレアポのゴール(目的)をはっきりさせましょう。
売り込みたい商材の価格帯やリードの数によって、電話で目指すべき深度が変わってきます。
- 見込み客リストが豊富にある場合:電話では簡単なヒアリングと興味付けに留め、アポイントの日程を取る
- 一件一件を丁寧に教育したい場合:電話の中でじっくり課題を聞き出してからアポ設定するなど、質重視のトークにシフトする
自社にとって「テレアポで何を達成したいのか」を明確に定め、それに沿ってスクリプトの構成や重み付けを調整することが大切です。
目的が定まっていれば、トークの各段階での力の入れ方も自ずと見えてくるでしょう。
質問内容を想定して回答を用意する
テレアポ中、相手から質問や反応があった際にスムーズに答えられるよう、想定問答集(Q&A)を準備しておきましょう。
よく聞かれる質問(価格は?導入実績は?競合との違いは?など)は事前に洗い出し、それぞれ最適な回答をスクリプト内に用意しておくと安心です。
また、相手の断り文句に対する返しも考えておきます。
「今は間に合ってます」と言われた場合:「承知しました。ただ多くの企業様が“知らなかった方法を聞けてよかった”とおっしゃるケースも多いので、少しだけご紹介させてください」など、一段食い下がるフレーズを用意する
切り返しトークや想定Q&Aを事前に準備することで、予想外の展開でも慌てずに対応できます。
一問一答形式のメモを作っておけば新人でも安心して電話に臨めるでしょう。
電話営業前に相手の課題やニーズを分析する
テレアポをかける前の下準備として、ターゲットとなる相手の情報収集を徹底しましょう。
電話先の企業や担当者について事前に調べておけば、ニーズを引き出すうえで非常に役立ちます。
- 相手企業の業種・規模
- 最近のニュースリリース
- 担当者の役職やプロフィール
上記をメインに分析しつつ、業界ならではの課題を仮設立てしておきましょう。
「この規模のメーカーなら在庫管理が悩みでは?」「IT担当ならDX推進状況を聞いてみよう」といった具合に、相手ごとに響きそうなトークの糸口を準備しておくと会話が盛り上がりやすくなります。
相手の状況に即した提案は「自分ごと」として捉えてもらいやすく、結果としてアポ獲得率向上につながります。
過去の経験から効果的な言い回しを組み込む
トークスクリプトは一度作って終わりではなく、常にブラッシュアップしていくものです。
架電を重ねる中で「この言い回しは反応が良かった」「ここでこう切り返したら繋がった」という成功パターンが出てきます。
特に効果的だったフレーズはスクリプト全体に取り入れましょう。
逆に、あまり響かなかった部分は別の表現に変えて試すなど、PDCAを回してスクリプトを改善していきます。
また、お客様から寄せられた新たな質問への回答をスクリプトに追記しておけば、次回以降は他のメンバーも含め対応がスムーズになるでしょう。
データや経験に基づいてスクリプトを進化させていくことで、チーム全体のアポ獲得率も向上していきます。
トーク内容だけでなく、話す順番や声の抑揚なども含めて「勝ちパターン」を蓄積・共有し、自分だけの必勝スクリプトを完成させてください。
一方的に話し続けない
トークスクリプトがあると「用意したセリフを全部伝えなければ」と意気込んで一方的に話し過ぎてしまうことがあります。
しかし電話営業では、こちらが話す以上に相手の話を「聞く」ことが重要です。
スクリプトには質問や間(ま)を入れるポイントを盛り込み、相手が発言できる余地を作りましょう。
「○○についてはいかがですか?」と尋ねるなどして、双方向のコミュニケーションに徹します。
適度に質問を挟めば、「自分の話もちゃんと聞いてくれる」という安心感から心を開きやすくなります。
法人向けでは雑談も交えながら相手に話してもらうことで、ニーズの本質を引き出す効果があります。
テレアポのトークスクリプトでよくある課題
テレアポには共通してつまずきやすいポイントが存在します。
特に多くの人が直面するのが「受付の壁」と「断り文句への対応」です。
ここでは、それぞれの課題を乗り越えるためのトークスクリプト上の工夫を紹介します。
受付を突破する方法
法人営業のテレアポで最初に立ちはだかるのが受付担当者のブロックです。
「営業のお電話でしょうか?結構です。」とガチャ切りされた苦い経験を持つ方も多いはず。
しかし、いくつかの工夫で受付突破率を上げることが可能です。
- 担当者の名前をできる限り指名する:「〇〇部の△△様をお願いいたします」
- 用件を間接的に伝える:「御社の〇〇についてお伺いしたくお電話しました」
- 時間の配慮を示す:「すぐ終わりますので、お時間〇分だけよろしいでしょうか?」
営業電話は長いと敬遠されため、「短く済ませます」という宣言で心理的ハードルを下げるわけです。
上記3点を盛り込んだフロントトークを準備しておけば、受付突破の確率は確実に上がります。
どうしても繋いでもらえない場合は、無理せず「では資料をお送りしたいので…」と切り替え、担当者名やメールアドレスを教えてもらいましょう。
そうすれば、後日「資料をご覧いただけましたか?」と担当者本人に直接連絡するきっかけが作れます。
断り文句を切り返す方法
テレアポにつきものなのが、お客様からの様々なお断りフレーズです。
「今はちょっと時間がない」「間に合ってるから大丈夫」といった常套句に対する悩みは誰しも抱えています。
しかし、ここで諦めて電話を切ってしまっては次につながりません。
大事なのは、定番の断り文句に対してもうひと工夫返してみることです。
| 断り文句 | 切り返し |
|---|---|
| 時間がない | 「承知しました。1~2分で結構ですのでお時間いただけませんか?」 |
| もう間に合っている | 「お話を聞いていただいた多くの方が驚かれています。少しだけでもご存知ない情報をお持ち帰りいただければと思うのですが…」 |
| 予算がない | 「以前ご検討いただいた企業様も最初は高いと感じておられましたが、実際に機能をご説明したところ価値を感じて導入いただきました」 |
| 考えておきます | 「ご検討いただきありがとうございます。では来週の○日か△日に改めてお電話いたしますが、ご都合いかがでしょうか?」 |
よくある断り文句に対してワンテンポ粘る返しをいくつか用意しておきましょう。
ただし、しつこく食い下がりすぎると逆効果なので、相手のトーンを見極めつつ「もう一押しだけ試みる」イメージです。
断られるのが当たり前のテレアポだからこそ、引き出しを豊富にしておいてください。
もし改善しても成果が出ない場合は、以下の営業施策もお試しください。
商談を創出する方法はテレアポだけではないため、ぜひ無料でダウンロードしてお試しください。
成果が出る最強の戦略130選 |BtoBアウトバウンドセールス”打ち手”大全

〇こんな人におすすめ
- 営業を体系的に学習したい、すぐ成果を出したい
- 質の良いアポイントを量産したい
- 施策一覧を知りたい、新規施策を模索している
- 施策毎のベストプラクティスを知りたい
- 部下に営業研修をしたい、営業ノウハウを全社展開したい
テレアポのスクリプトに関するよくある質問
テレアポのトークスクリプトについて、新人営業の方からよく寄せられる疑問にお答えします。
疑問を解消して臨めば、より自信を持って架電できるでしょう。
1|新規電話営業で最初の10秒で何を話すべき?
誰で相手にどんなメリットがあるかを端的に伝えるべき
2|「間に合ってます」と言われたらどうすればいい?
否定せず一旦受け入れ話題の角度を変えて提案してみる
3|無料のトークスクリプトのテンプレートはある?
ネット上で雛形をダウンロードできるがカスタマイズが大切
4|法人向けと個人向けでテレアポスクリプトを変えるべきですか?
話す相手や状況が違うため内容やトーンを変えるべき
新規電話営業で最初の10秒で何を話すべき?
最初の10秒で話すべきは「あなたは誰で、相手にどんなメリットがありそうか」を端的に伝えることです。
具体的には、挨拶+名乗り+一言フロントトークの三点セットを10秒以内に収めます。
お忙しいところ恐れ入ります。
株式会社○○の△△と申します。
本日は御社の○○業務の効率化につながるご提案でお電話しました。
人は電話に出てからまず最初の数秒で「緊急の要件か?聞く価値があるか?」を判断します。
ですから、ぼんやりした雑談から入るのではなく、最初から要点を伝えることが大切です。
法人向けでは「要件は何?」とすぐ聞かれることも多いので、社名・名前に続けて簡潔な用件(相手の利益になりそうなこと)を述べましょう。
第一声で「なんだ営業か…」と思われたらその先は聞いてもらえません。
10秒は短いようでいて勝負の分かれ目でもあるため、スクリプトを読み込んで練習し、自信満々に話せるようにしておきましょう。
「間に合ってます」と言われたらどうすればいい?
ポイントは否定せず一旦受け入れることと、話題の角度を変えることです。
すぐに売り込みを続けると「いや、いらないと言っただろう」と反発されるため要注意です。
その上で、「ちなみに~」と切り出して別の側面から質問や提案をしてみます。
- 「ちなみに現在◯◯の分野で何かお困りごとはないですか?」
- 「一つだけ最新の事例をご紹介してもよろしいでしょうか?」
要は「間に合っている=この話は終わり」ではなく、「間に合っている=そのアプローチでは響かなかった」と捉えて戦略を切り替えましょう。
あくまで相手のペースを尊重しながら、「でも実は」と新しい提案をサラッと付け加えてみるのがコツです。
無料のトークスクリプトのテンプレートはある?
無料で利用できるテレアポトークスクリプトのテンプレートはいくつも存在します。
「トークスクリプト作成ツール」の無料版や、営業ノウハウ資料にテンプレ付きで掲載されているものなど様々です。
検索エンジンで「トークスクリプト 無料 テンプレート」などと調べれば、多くの選択肢が見つかるでしょう。
ただし、無料テンプレートはあくまでひな形です。
そのまま使うだけでは他社と差別化できず、商材や業界によって適した話し方も異なります。
「無料だから」「プロが作った形だから」と盲信せず、あくまで参考資料・土台として活用しましょう。
法人向けと個人向けでテレアポスクリプトを変えるべきですか?
話す相手も状況も大きく異なるため、スクリプトの内容やトーンを変える必要があります。
個人向けテレアポでは、専門用語や複雑な説明は避け、誰にでもわかる言葉で簡潔に伝えることが重要です。
雑談交じりに親しみやすく話し、「話を聞いてもいいかな」と思わせる雰囲気づくりが大切です。
一方、法人向けテレアポでは相手はビジネスパーソンとなるため、自社に利益をもたらす提案でなければ基本的に会う時間を取ってくれません。
業界知識や専門用語も織り交ぜつつ、「この人は我が社のことを理解して話している」と感じてもらう必要があります。
また法人では受付を経由するケースがほとんどなので、スクリプトにも受付突破用のフレーズを盛り込みましょう。
BtoBでは「この商談は自社に本当に必要か?」と厳しく判断されるので、導入効果や事例、数字を用いて必要性を感じてもらうトークにすることが不可欠です。
まとめ
トークスクリプトはあなたの不安を減らし、自信を持って電話をかけるための心強い味方です。
「台本の雛形」を手に入れたら、自社やアプローチ先の情報をもとにパーソナライズ化させてみましょう。
とはいえ、スクリプトだけで急に商談が取れるわけではないため、自身のテレアポスキルも磨き続ける必要があります。
工夫と改善を重ねるうちに必ず成果が見えてきます。
恐れずにコールボタンを押して“勝ちパターン”を築き上げましょう。


