新規開拓営業とは?11の営業手法や成功率を上げるコツも解説

企業の成長に不可欠な「新規開拓」ですが、具体的な手法や成功のコツがわからず、悩んではいないでしょうか。

アポイントが取れずに心が折れそうになったり、日々の業務に追われて十分な時間を確保できなかったりと、多くの営業担当者が壁に直面しています。

しかし、正しい事前準備と効果的なアプローチ手法を理解すれば、新規開拓は闇雲な活動ではなく、再現性のある戦略的な活動へと変えられます。

本記事では、新規開拓営業の基礎知識から、明日から実践できる11の具体的な営業手法、そして成功率を飛躍的に高めるためのコツまで、体系的に解説します。

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  • 施策一覧を知りたい、新規施策を模索している
  • 施策毎のベストプラクティスを知りたい
  • 部下に営業研修をしたい、営業ノウハウを全社展開したい
目次

新規開拓営業とは?

新規開拓営業とは、取引のなかった企業や個人に対してアプローチを行い、新たに顧客となってもらうための一連の営業活動を指します。

企業の継続的な成長と市場シェア拡大を実現する上で、極めて重要な役割を担う活動です。

新規開拓営業とは?

1新規開拓営業とルート営業の相違点
アプローチ対象や求められるスキルが根本的に異なる、既存顧客向け営業との違いを解説


2新規開拓の手法はアウトバウンド営業とインバウンド営業の2種類
企業側から攻める「プッシュ型」と顧客から引き寄せる「プル型」の2大手法の概要

新規開拓営業とルート営業の相違点

新規開拓営業とルート営業の最も大きな違いは、アプローチする顧客にあります。

営業方法顧客
新規開拓営業接点のない相手
ルート営業既に取引のある既存顧客

新規開拓が接点のない相手との関係をゼロから構築するのに対し、ルート営業は既存顧客との関係を維持・深化させることが主な目的です。

そのため、新規開拓では潜在的な課題を発見する仮説構築力や情報収集能力が求められる一方、ルート営業では顧客の状況を深く理解し、追加の提案を行うスキルが重視されます。

求められるスキルやマインドセットが根本的に異なるため、それぞれの特性を理解し、適切な戦略を立てることが成功への第一歩となります。

新規開拓の手法はアウトバウンド営業とインバウンド営業の2種類

新規開拓のアプローチ手法は、大きく「アウトバウンド営業」と「インバウンド営業」の2つに分類されます。

営業方法アプローチ方法
アウトバウンド営業プッシュ型:企業側から見込み客へ直接アプローチテレアポ、訪問
インバウンド営業プル型:有益な情報発信で見込み客側から問い合わせを促すオウンドメディア、SNS

アウトバウンド営業は企業側から能動的に仕掛ける手法で、インバウンド営業は顧客側からのアクションを起点とする手法です。

現代の営業活動においては、これら2つの手法を単独で用いるのではなく、それぞれの長所を活かして組み合わせることが、より効果的な新規開拓につながります。

新規開拓営業を成功させるための事前準備

成果の出ない新規開拓の多くは、準備不足が原因であり、闇雲に行動しても時間と労力を浪費するだけです。

ここでは、活動を開始する前に必ず行うべき4つの重要な事前準備について解説します。

新規開拓営業を成功させるための事前準備

1新規開拓営業で目指すKPIを設定する
活動の進捗を客観的に測るため、アポイント数や受注率など具体的な数値目標を設定


2ターゲットのペルソナを明確にする
アプローチすべき理想の顧客像を具体的に描き、営業活動の精度を高めるための作業


3見込み客リストを作成する
設定したペルソナに基づき、具体的なアプローチ対象となる質の高い企業リストを用意


4見込み客に効果的なアプローチ手法を選ぶ
ペルソナの特性に合わせて、テレアポやWeb広告など最適な営業手法を戦略的に選択

新規開拓営業で目指すKPIを設定する

最初に行うべきは、具体的で測定可能なKPI(重要業績評価指標)を設定することです。

KPIを設定することで、目標達成までのプロセスが明確になり、日々の活動の進捗状況を客観的に把握できるようになります。

例えば、「アポイント獲得数」「商談化率」「受注数」「受注単価」といった指標を、現実的な数値目標として設定することが重要です。

これにより、活動の成果を正しく評価し、改善点を発見するためのデータに基づいた判断が可能となります。

設定したKPIは定期的に見直し、市況やチームの状況に応じて柔軟に調整していくことも忘れてはなりません。

ターゲットのペルソナを明確にする

次に、どのような企業や担当者にアプローチするのか、ターゲットとなる顧客像(ペルソナ)を詳細に設定します。

「誰にでも売れる」という考えは捨て、自社の製品やサービスが最も価値を提供できる理想の顧客は誰かを定義することが不可欠です。

ペルソナ設定では、業種や企業規模、所在地といった基本情報に加え、担当者の役職、抱えているであろう課題やニーズ、情報収集の方法まで深く掘り下げて考えます。

ペルソナを明確にすることで、アプローチのメッセージが具体性を帯び、響きやすい提案内容を組み立てられるようになります。

この作業が、後の見込み客リストの質やアプローチ手法の選択精度を大きく左右するのです。

見込み客リストを作成する

明確にしたペルソナに基づき、具体的なアプローチ対象となる見込み客(リード)のリストを作成します。

リストの質は新規開拓の成果に直結するため、時間をかけて丁寧に行うべき重要なプロセスです。

リストの作成方法には、企業データベースの活用、業界団体の名簿、過去に名刺交換したリストの整理、SNSでの検索など、様々な手段があります。

重要なのは、単に社名と連絡先を並べるだけでなく、ペルソナに合致しているか、アプローチの優先順位はどうかといった情報を付加し、リストを精査していくことです。

質の高いリストは、営業活動の効率を飛躍的に高める資産となります。

見込み客に効果的なアプローチ手法を選ぶ

最後に、作成した見込み客リストとペルソナの特性を考慮し、最も効果的と考えられるアプローチ手法を選択します。

例えば、ITリテラシーが高い業界の担当者にはメールやWeb広告が有効かもしれませんし、地域の小規模事業者にはポスティングや訪問が響く可能性もあります。

一つの手法に固執するのではなく、ターゲットが普段どのような媒体で情報を得ているかを想像し、複数の手法を組み合わせる視点が重要です。

選んだ手法が本当に最適かどうかを判断するためにも、前述のKPIを設定し、活動の成果を測定・分析することが不可欠となります。

この事前準備の質が、新規開拓の成否を分けるといっても過言ではありません。

アウトバウンド営業による新規開拓手法5選

アウトバウンド営業は、企業側から能動的に仕掛けることで、短期間で多くの見込み客にアプローチできる可能性がある手法です。

代表的な5つのアウトバウンド営業による新規開拓手法を紹介します。

アウトバウンド営業による新規開拓手法5選

1テレアポ
電話で直接アプローチし商談を獲得する伝統的手法で、質の高いリストとトークが鍵


2訪問営業
直接訪問して熱意を伝える手法で、エリアや業種を絞ったアプローチが有効


3メール営業
効率的に多数へアプローチできる手法で、相手に合わせたパーソナライズが成果を左右


4ポスティング
チラシなどを投函する地域密着型の手法で、ターゲットの興味を引く工夫が重要


5ビジネスマッチングサイト
ニーズが明確な企業と繋がれるプラットフォームで、魅力的なプロフィール作成が鍵

テレアポ

テレアポ(テレフォンアポイントメント)は、見込み客リストに基づき電話でアプローチし、商談の機会を獲得する伝統的な手法です。

直接対話できるため、相手の反応を即座に感じ取れるメリットがありますが、受付で断られたり、担当者につながりにくかったりするデメリットもあります。

成功の鍵は、事前準備で作成した質の高いリストと、相手の課題に寄り添った簡潔で分かりやすいトークスクリプトを用意することです。

単にアポイントを取ることだけを目的とせず、相手の現状や課題をヒアリングする情報収集の場と捉えることが、商談化率を高めるポイントとなります。

しかし、テレアポを自社で実行するには、多くのリソースと専門的なノウハウが必要です。

株式会社Emoooveには100社以上の営業支援実績があり、特に質の高い決裁者アポイントの獲得を得意としています。

貴社の営業課題に合わせた最適なプランをご提案しますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

訪問営業

訪問営業は、アポイントを取らずに直接企業や店舗を訪れる、いわゆる「飛び込み営業」を含む手法です。

相手の状況やオフィスの雰囲気を直接肌で感じることができ、熱意が伝わりやすいというメリットがあります。

しかし、担当者が不在であったり、迷惑がられたりするリスクも高く、非常に効率が悪い側面も持ち合わせています。

この手法を有効に活用するには、ターゲットとするエリアや業種を明確に絞り込み、単なる売り込みではなく、有益な情報提供や挨拶から入るなど、関係構築のきっかけ作りと割り切ることが重要です。

特に、地域密着型のビジネスや飲食店向けのサービスなどでは、今なお有効な手段となり得ます。

メール営業

メール営業は、企業の問い合わせフォームや公開されているメールアドレス宛に、直接アプローチメールを送信する手法です。

一度に多くの相手にアプローチでき、時間や場所を選ばずに実行できる高い効率性が魅力です。

一方で、多くの営業メールに埋もれて開封されなかったり、迷惑メールと判断されたりするケースも少なくありません。

成果を出すためには、一斉送信のような文面ではなく、相手の事業内容や最近のニュースなどを踏まえた「あなただけに送っている」と伝わるパーソナライズされた件名や本文を作成することが不可欠です。

資料請求やセミナー案内への導線を設けるなど、相手が次のアクションを取りやすい工夫も効果的です。

ポスティング

ポスティングは、チラシやパンフレットといった販促物を、ターゲットとなる企業や個人宅のポストに直接投函する手法です。

特定の地域に絞って集中的にアプローチできるため、地域密着型のサービスや店舗への集客に適しています。

Web広告やメールに反応しない層にもリーチできる可能性がある一方、読まれずに捨てられてしまうことも多く、効果測定が難しいという課題があります。

成功率を高めるには、ターゲットの興味を引くキャッチコピーやデザインを工夫し、特典クーポンや限定オファーを付けるなど、手にとってもらうための仕掛けが重要となります。

配布する曜日や時間帯、エリアの選定も、ターゲットの目に留まる確率を左右する大切な要素です。

ビジネスマッチングサイト

ビジネスマッチングサイトは、仕事を発注したい企業と受注したい企業を結びつけるプラットフォームです。

自社のサービスを登録しておくことで、ニーズが明確な企業からの問い合わせを受けたり、公開されている案件に応募したりすることができます。

既に課題を感じている企業と効率的に接点を持てるため、成約に至るまでのスピードが速い傾向にあります。

ただし、多くの競合他社も利用しているため、自社の強みや実績をプロフィール上でいかに魅力的に伝えられるかが、選ばれるための鍵となります。

手数料や月額費用が発生する場合が多いため、費用対効果を慎重に見極める必要があります。

インバウンド営業による新規開拓手法6選

インバウンド営業は、見込み客側からの自発的なアクションを促すことで、質の高いリードを獲得しやすい手法です。

現代の新規開拓において重要性を増している6つのインバウンド営業手法を紹介します。

インバウンド営業による新規開拓手法6選

1SNS運用
専門知識の発信で信頼を構築し、潜在顧客と直接コミュニケーションを取る現代的な手法


2オウンドメディア
有益な記事コンテンツを資産として蓄積し、検索エンジンから安定したリードを獲得


3Web広告
即効性がありデータに基づいた改善が可能な手法で、ターゲット層へ迅速にリーチ


4セミナー
専門性をアピールし、関心度の高い見込み客リストを獲得できる非常に効果的な手法


5展示会
短期間で多くの見込み客と名刺交換でき、製品デモで直接魅力を伝えられる機会


6既存顧客からの紹介
高い信頼から始まるため受注率が高く、コストを抑えて優良なリードを獲得できる

SNS運用

X(旧Twitter)やFacebook、LinkedInなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を活用し、情報発信を行う手法です。

業界の専門知識や役立つノウハウなどを継続的に投稿することで、自社の専門性をアピールし、フォロワーとの信頼関係を構築します。

潜在的な顧客層と直接コミュニケーションが取れ、顧客のリアルな声を拾いやすいというメリットがあります。

重要なのは、一方的な宣伝に終始するのではなく、あくまでユーザーにとって価値のある情報を提供し、エンゲージメントを高めていく姿勢です。

炎上リスクの管理や、継続的なコンテンツ投稿のためのリソース確保といった課題も考慮する必要があります。

株式会社Emoooveでは、LinkedinをメインにSNS運用の課題を解決する代行サービスも提供しています。

専門チームが戦略設計から投稿管理、分析までを一貫して担い、貴社のファンを育成します。

営業活動に繋がるSNS活用にご興味があれば、お気軽にお問い合わせください。

オウンドメディア

オウンドメディアとは、自社で保有・運営するブログやWebマガジンなどの媒体を指します。

見込み客が抱える課題や悩みを解決するような質の高い記事コンテンツを継続的に発信し、検索エンジン経由での流入を狙います。

一度作成したコンテンツが資産として蓄積され、中長期的に安定したリード獲得源となり得ることが最大のメリットです。

成果を出すには、SEO(検索エンジン最適化)に関する専門知識と、質の高いコンテンツを継続的に制作・公開するための体制構築が不可欠となります。

SEOとは?
Search Engine Optimizationの略。検索エンジンで自社サイトが上位表示されるよう、コンテンツやサイト構造を最適化すること。

効果が現れるまでに時間がかかるため、長期的な視点での取り組みが求められます。

Web広告

Web広告は、検索エンジンやWebサイト、SNSなどの広告枠に費用を払って自社の広告を掲載する手法です。

代表的なWeb広告の種類
  • リスティング広告:Googleなどの検索結果に、ユーザーが検索したキーワードと連動して表示される広告。
  • ディスプレイ広告:Webサイトやアプリの広告枠に表示される画像や動画の広告。ユーザー属性に基づき配信可能。

予算を投下すれば即座にターゲット層へアプローチでき、クリック数やコンバージョン率などの効果をデータで正確に測定できる点が強みです。

成功のためには、広告の受け皿となるランディングページ(LP)の最適化や、ターゲット設定・キーワード選定の精度を高め続ける運用スキルが求められます。

継続的な広告費がかかるため、費用対効果(ROAS)を常にモニタリングし、改善を繰り返す必要があります。

セミナー

自社の専門分野に関するテーマで、セミナー(ウェビナー)を主催することも非常に有効な手法です。

見込み客が抱える課題解決に直結するような価値ある情報を提供することで、自社の専門性や信頼性をアピールします。

参加者はそのテーマに高い関心を持っているため、非常に質の高い見込み客リストを獲得できるという大きなメリットがあります。

セミナーの成功は、ターゲットの興味を引くテーマ設定と、参加する価値があったと感じさせる満足度の高いコンテンツを提供できるかにかかっています。

開催後のアンケートや個別相談会など、次のステップへと繋げるためのフォローアップの仕組みを事前に設計しておくことが重要です。

展示会

自社の業界に関連する展示会へ出展し、ブースを訪れた来場者と名刺交換を行うことでリードを獲得する手法です。

特定のテーマに関心を持つ企業や担当者が多数来場するため、短期間で効率的に多くの見込み客と接点を持つことができます。

製品やサービスを直接デモンストレーションできるため、その場で魅力を伝えやすい点もメリットです。

一方で、出展には多額の費用がかかるため、費用対効果を最大化するには、事前の目標設定と当日の運営、そして会期後の迅速なフォローアップが極めて重要になります。

ただ名刺を集めるだけでなく、ブースでいかに具体的な課題を引き出し、有望な見込み客を見極めるかが成功の分かれ道です。

既存顧客からの紹介

リファラル営業とも呼ばれる、既存の満足度の高い顧客から、新たな見込み客を紹介してもらう手法です。

第三者である顧客からの推薦があるため、最初から高い信頼度を持って商談をスタートでき、受注率が非常に高い傾向にあります。

広告費などがかからず、コストを抑えて質の高いリードを獲得できる点も大きな魅力です。

この手法を機能させるには、日頃から既存顧客と良好な関係を築き、高い満足度を提供し続けることが大前提となります。

紹介を依頼しやすいタイミングを見計らったり、紹介してくれた顧客へのインセンティブプログラムを用意したりすることも、紹介を促進する上で効果的です。

新規開拓営業の成功率を上げるコツ4選

数々の営業手法を紹介しましたが、それらを使いこなして成果を最大化するためには、根底に流れる共通のコツが存在します。

ここでは、あらゆる新規開拓営業の成功率を飛躍的に向上させる4つの普遍的なコツを解説します。

新規開拓営業の成功率を上げるコツ4選

1継続的なフォローで信頼構築する
一度接点を持った見込み客へ有益な情報を提供し続け、将来の受注へと繋げる活動


2顧客目線のヒアリングと提案を徹底する
一方的な売り込みではなく、相手の課題を深く理解し解決策を示すパートナーの姿勢


3数字管理とPDCAサイクルで改善を繰り返す
KPIに基づき活動をデータで評価し、仮説検証を繰り返して勝ちパターンを確立する


4担当者の営業スキルを向上させる
ヒアリング力や提案力など、最終的に顧客と対峙する「人」の能力を高める努力

継続的なフォローで信頼構築する

新規開拓において、一度のアプローチで成約に至るケースは稀です。

多くの見込み客は、すぐには必要性を感じていなかったり、他社と比較検討していたりします。

そこで重要になるのが、一度接点を持った見込み客に対して、継続的にフォローアップを行うことです。

定期的にメールで有益な情報を提供したり、SNSでつながりを保ったりすることで、自社のことを忘れさせず、いざという時に第一想起してもらえる存在を目指します。

この地道な関係構築(リードナーチャリング)こそが、長期的な信頼を生み、将来の受注に繋がるのです。

リードナーチャリングとは?
獲得した見込み客(リード)に対し、継続的に情報提供を行い、購買意欲を高めていくマーケティング活動のこと。

顧客目線のヒアリングと提案を徹底する

新規開拓で失敗しがちなのが、自社の製品やサービスの説明ばかりをしてしまう一方的な売り込みです。

顧客が本当に知りたいのは、製品のスペックではなく、「その製品が自分の課題をどう解決してくれるのか」という点です。

そのためには、まず相手の話を深く聞く「ヒアリング」を徹底し、顧客が抱える真の課題やニーズを正確に把握することが何よりも重要です。

引き出した課題に対して、自社のサービスがどのように貢献できるのかを、具体的なストーリーや事例を交えて提案することで、初めて顧客の心を動かすことができます。

常に「顧客の成功を支援するパートナー」という意識を持つことが、信頼される営業担当者への道です。

数字管理とPDCAサイクルで改善を繰り返す

新規開拓では最初に設定したKPI(重要業績評価指標)を基に、日々の活動を数値で管理し、客観的に評価することが不可欠です。

例えば、「テレアポからのアポ獲得率が低い」「メールの開封率が目標に達していない」といった課題を数字で把握することで、具体的な改善策を検討できます。

Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のPDCAサイクルを高速で回し、常に活動を最適化していく姿勢が成功を引き寄せます。

失敗を恐れず、データに基づいて仮説検証を繰り返すことが、再現性のある勝ちパターンを確立する最短ルートです。

担当者の営業スキルを向上させる

どのような優れた手法やツールを導入しても、最終的に顧客と対峙するのは「人」です。

したがって、営業担当者自身のスキルを継続的に向上させていく努力が欠かせません。

営業担当者に求められるスキル
  • 課題発見能力
  • ヒアリング力
  • プレゼンテーション能力
  • クロージングスキル

書籍や研修で知識をインプットするだけでなく、上司や同僚とロールプレイングを行ったり、成功事例をチームで共有したりするなど、実践的なアウトプットの場を設けることがスキル向上を加速させます。

自分自身のスキルアップが、会社の成長に直結するという意識を持つことが大切です。

新規開拓営業で失敗しやすいやり方

成功のコツを知るのと同時に、多くの人が陥りがちな失敗のパターンを理解しておくことも重要です。

時間と労力を無駄にし、成果から遠ざかってしまう典型的な失敗例を3つ紹介します。

新規開拓営業で失敗しやすいやり方

1闇雲に量を追う
質の高い準備を怠り、ただ行動量だけを追い求めて心身を疲弊させてしまうパターン


2顧客の課題を無視して売り込む
相手の話を聞かず、一方的に商品説明を始めてしまい「迷惑な営業」と認識される


3受注するために安易な値引きに頼る
価値を伝えきれず価格競争に陥り、企業の利益や製品のブランド価値を損なう行為

闇雲に量を追う

「とにかく行動量が大事だ」という考えのもと、事前準備や戦略策定を怠り、闇雲にテレアポの件数や訪問件数だけを追い求めるのは典型的な失敗パターンです。

ターゲットが絞られていない状態での大量行動は、当然ながら成功確率が低く、営業担当者の心身を疲弊させるだけです。

結果として、モチベーションは低下し、一件一件の質も下がるという悪循環に陥ってしまいます。

重要なのは量の前に「質」であり、精度の高いリストと響くメッセージを用意することこそが、結果的に最も効率的なアプローチにつながります。

行動量は、質の高い準備があってこそ、その効果を最大限に発揮するのです。

顧客の課題を無視して売り込む

自分が売りたいという気持ちが先行し、顧客の状況や課題を一切聞かずに、一方的に製品やサービスの説明を始めてしまうのもよくある失敗です。

顧客は自分の話を遮ってまで、興味のない商品説明を聞きたいとは思っていません。

このような営業は「迷惑な売り込み」としか認識されず、即座に断られるか、二度と話を聞いてもらえなくなるでしょう。

営業の主役は自社の商品ではなく、あくまで顧客であり、顧客が抱える課題を解決するためのパートナーという立ち位置を忘れてはなりません。

「この人は自分のことを理解しようとしてくれている」と感じてもらえなければ、信頼関係の構築は不可能です。

受注するために安易な値引きに頼る

商談の最終局面で、「価格を下げれば受注できる」と考え、安易な値引きに頼ってしまうのも避けるべきです。

値引きで獲得した受注は、企業の利益を圧迫するだけでなく、製品やサービスの価値を自ら貶める行為にほかなりません。

また、一度値引きをするとそれが当たり前だと思われ、次回の取引でもさらなる値引きを要求される可能性があります。

本来注力すべきは、価格競争に陥ることではなく、価格以上の価値が製品・サービスにあることを顧客に理解してもらうための提案活動です。

価値が正しく伝われば、顧客は適正な価格を支払うことに納得してくれるはずです。

新規開拓営業のよくある悩みQ&A

最後に、新規開拓営業に取り組む担当者が抱えがちな、よくある悩みについてQ&A形式でお答えします。

多くの人が同じような壁にぶつかっていますので、ぜひ参考にしてください。

新規開拓営業のよくある悩みQ&A

1新規開拓営業に向いているのはどんな人?
精神的なタフさ以上に、顧客への好奇心や学習意欲といった後天的な資質が重要


2新規開拓営業がつらいと感じたときの対処法は?
一人で抱え込まず、小さな成功を評価し、データに基づいた改善で前向きな姿勢を維持


3新規開拓営業の鉄則ってありますか?
まず相手に価値を提供(GIVE)する姿勢こそが信頼関係を築く最も重要な土台

新規開拓営業に向いているのはどんな人?

一般的に、目標達成意欲が高く、精神的にタフで、失敗を引きずらない切り替えの早い人が向いていると言われます。

しかし、それ以上に重要なのは、顧客のビジネスや課題に対する強い好奇心と、新しい知識を学び続ける学習意欲です。

未知の領域に臆せず飛び込み、仮説を立てて検証していくプロセスを楽しめる人は、大きな成果を上げる可能性があります。

生まれ持った性格だけでなく、後天的に身につけられるスキルやスタンスが、実はそれ以上に重要であると言えるでしょう。

誠実さや傾聴力といった資質も、顧客との信頼関係を築く上で不可欠な要素です。

新規開拓営業がつらいと感じたときの対処法は?

断られ続けることで、自分の存在価値まで否定されたように感じ、つらくなるのは当然のことです。

まず大切なのは、一人で抱え込まずに上司や同僚に相談し、客観的なアドバイスをもらうことです。

また、結果だけでなく、アポイント獲得数や提案数といったプロセスも評価の対象とし、小さな成功体験を積み重ねて自己肯定感を保つことも有効です。

「断られるのが当たり前」と割り切り、うまくいかなかった原因を感情的にではなく、データに基づいて分析し、次の改善策を考えることで、前向きな気持ちを維持しやすくなります。

意識的に休息を取り、仕事から離れる時間を作ることも、精神的な健康を保つために非常に重要です。

新規開拓営業の鉄則ってありますか?

新規開拓営業に鉄則があるとすれば、「GIVEの精神を忘れない」ことです。

自分が何かを得ようとする前に、まず相手にとって価値のあるものを提供することから始めましょう。

顧客の成功を誰よりも願い、そのためにできることは何かを常に考え行動することが、結果的に揺るぎない信頼関係と大きな成果につながります。

顧客第一主義の姿勢こそが、あらゆる手法やスキルを活かすための土台となる、最も重要な鉄則と言えるでしょう。

まとめ

本記事では、新規開拓営業の基本から具体的な11の手法、そして成功率を高めるためのコツや失敗例まで、幅広く解説しました。

新規開拓は決して楽な道のりではありませんが、正しい知識と戦略、そしてマインドセットがあれば、誰でも成果を出すことが可能です。

重要なのは、闇雲に行動するのではなく、「事前準備」を徹底し、自社にとって最適なアプローチを見つけ出し、データに基づいて改善を繰り返していくことです。

今回紹介した内容を参考に、ぜひ明日からの営業活動を見直し、再現性のある成功の仕組みを構築するための一歩を踏み出してみてください。

あなたの活動が、企業の未来を切り拓く大きな力となることを願っています。

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