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CxOレター(手紙営業)におけるアポイント獲得までの「所要日数」分析 —— 投函からアポ獲得までの日数分布と、スケジュール設計への示唆

エグゼクティブサマリー

  • CxOレターにおけるアポイントの約半数(46%)は「投函から1週間」の間に発生している
  • 最短で「投函から3日後」の反応事例があり、手紙ならではの意思決定の速さがうかがえる
  • 投函から3週間(21日)を超えてのアポイント発生は稀であり、追客終了の目安となり得る

調査背景

昨今のBtoB営業において、決裁者へ直接アプローチする「CxOレター(手紙営業)」が再び注目を集めている。デジタル手段が飽和する中、物理的な実体を持つ手紙は「手元への到達率」と「開封率」で優位性を持つためだ。

しかし、現場からは以下の疑問が頻繁に挙がる。

  • 手紙を送った後、どれくらい待つべきか?
  • フォローの電話はいつ入れるのが最適か?

本レポートでは、株式会社Emoooveの支援実績に基づき、CxOレターの投函からアポイント発生までの期間(所要日数)を分析した。経験則で語られがちな「待機期間」を数値化し、営業スケジュール設計の判断材料とすることを目的とする。

調査概要

実際にアポイント獲得に至ったケースを抽出し、投函から顧客のアクション(日程調整等の連絡)が発生するまでの日数を計測した。なお、本分析における「所要日数」は土日・祝日を含んだ「暦日(カレンダー通りの日数)」で算出している。

分析結果

データを分析した結果、アポイントまでの日数は平均10.0日であり、全体の8割以上が2週間以内に集中していることが判明した。

1. 基礎データ(最短・最長)

分布における最短・最長事例は以下の通りである。

  • 最短日数:3日
    • 事例:9月22日(月)投函 → 9月25日(木)アポ獲得(都内IT企業)
    • 現在の普通郵便は都内間であっても最短で「翌々日(投函から2日後)」の到着となる。本事例は水曜か木曜に手紙が到着し、その当日に即連絡があったケースといえる。
  • 最長日数:22日
    • 事例:10月23日(木)投函 → 11月14日(金)アポ獲得(都内ITサービス企業)
    • 1ヶ月近く経過してからの反応は稀であり、例外的なケースと言える。

2. 期間ごとの分布傾向

経過日数ごとの分布を「1週目」「2週目」「3週目以降」で分類すると、以下の傾向が読み取れた。
※普通郵便は土日祝日の配達がないため、木・金曜日に投函した手紙は週明け(月・火)にまとめて到着する傾向がある点も考慮が必要である。

考察

「手紙は時間がかかる」という印象に対し、本検証結果は逆の可能性を示唆している。ここには物理的なモノ特有の判断プロセスが影響していると考えられる。

デスク上の「物理的な専有」が判断を迫る

メールは「未読放置」が可能だが、デスクに届く物理的な封筒は場所を取るため、「開封確認」か「廃棄」かの判断を迫る。その結果、決裁者は開封したその場で「保管・連絡」か「不要」かを即決している可能性が高く、これが投函から3〜7日(1週目)という短期での反応集中に繋がっていると推測される。

企業規模による差異

  • 大手企業:投函から5〜7日程度で反応がある傾向が見られた。郵便物の仕分け・社内回送のルールが確立されており、担当者の手元に届くサイクルが一定であるためと考えられる。
  • 中堅・ベンチャー:3日で即反応する場合もあれば20日以上かかる場合もあり、バラつきが見られる。個人の裁量権の大きさや、ポスト確認頻度の差(リモートワーク等含む)が影響している可能性がある。

営業実務への活用

今回のデータから導き出される、具体的なアクションプランは以下の通りである。

1. 電話フォローの最適なタイミング

投函直後(1〜2日後)では現在の郵便事情では未達の可能性が高い。また、遅すぎると廃棄リスクが高まる。データ上、反応が集中し始め、かつ到着確認が取りやすい「投函から3〜4営業日後(土日を挟む場合は投函から5〜7日後)」が、電話フォローの推奨タイミングと考えられる。(例:月曜投函なら木・金曜あたり、木・金曜投函なら翌週の水曜あたりが目安)

2. 追客終了の判断目安(見切りライン)

投函から21日(3週間)を経過した場合、自然にアポイントが発生する確率は極めて低い(本検証では24件中わずか1件、約4%のみ)。「投函から3週間反応がなければ終了」と割り切り、リストのステータスを変更するか、別手段へ切り替える判断基準を持つことが推奨される。

結論

今回の分析において、CxOレター(手紙営業)の所要日数は平均10日前後、約半数が1週間以内に勝負が決まっている傾向が確認された。「手紙はゆっくり効く」という定説を疑い、投函後の1週間を「集中期間」と捉えてフォロー体制を組むことが、アポイント獲得の可能性を高めると考えられる。

シン・セールス総合研究所では、今後もデータ数を蓄積し、より精度の高い「営業の勝ちパターン」を検証・発信していく。

■この資料の概要
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この記事の監修者

株式会社Emooove 代表取締役

藤澤 諒一

神戸大学在学中に月間100万PVを誇る就活メディアを立ち上げ、上場企業を含む複数企業の採用や、旧帝/早慶上理大生を中心とする学生100名以上の就職活動を支援。大学卒業後は、新規事業開発やイノベーション創出を支援する株式会社Relicに入社。スタートアップから大企業まで企業規模を問わず、SaaSプロダクトのCPF〜PMF支援等を実施し、新規事業開発における企画/セールス/マーケティングなど様々な角度から貢献。また、クライアントへの支援に限らず、社内におけるマーケティング組織の立ち上げを推進。その後、株式会社Emooveを設立。

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