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LinkedInのつながり申請は、何曜日に送ると承認されやすいのか? 曜日別承認率の検証 ―― 運用設計における優先順位への示唆

LinkedInのつながり申請は、何曜日に送ると承認されやすいのか? 曜日別承認率の検証 ―― 運用設計における優先順位への示唆

LinkedInのつながり申請は、何曜日に送ると承認されやすいのか? 曜日別承認率の検証 ―― 運用設計における優先順位への示唆
目次

エグゼクティブサマリー

LinkedInを活用したアウトバウンド営業では、「いつ送るか」が成果を左右するという経験則が語られることが多い。本検証では、つながり申請を送信した曜日によって承認率が変動するかを、実務運用データをもとに集計した。

検証期間中のつながり申請7,455件を申請曜日別に集計した結果、承認率は最も高い月曜日で21.7%、最も低い日曜日で17.6%となり、全体では20.1%であった。

曜日間の差について統計的検定を行ったところ、7曜日全体では有意な差は確認されなかった(p=0.080)。平日5曜日では5%水準で差が確認されたものの(p=0.041)、多重比較後に有意な差のある曜日の組み合わせはなく、平日と土日の比較でも差は確認されなかった(20.1%対19.3%)。

一方、申請数そのものは曜日によって最大約5.7倍の偏りがあった。承認率の差が限定的であることを踏まえると、曜日の選定よりも申請数を確保できる体制づくりに注力するほうが合理的である可能性が示唆される。

本検証は単一アカウント・単一商材の条件下で実施されたものであり確定的な結論ではないが、申請曜日は優先度の高い要素ではない可能性を示すものである。

調査背景

シン・セールス総合研究所ではこれまで、アプローチの「タイミング」が成果に与える影響について複数の検証を行ってきた。テレアポにおける架電時間帯の検証では、時間帯を意識した架電に切り替えた前後で、アポイント獲得率に差が見られる傾向が確認されている。

こうした「タイミング」の発想は、LinkedInの運用にも持ち込まれやすい。実務の現場でも「月曜の朝は多忙で見られない」「週末に送っても意味がない」「週の中盤が最も反応が良い」といった経験則が語られることは少なくない。

しかし、LinkedInのつながり申請について、送信曜日と承認率の関係を定量的に検証したデータはほとんど公開されていない。承認率は、メッセージを届けられる相手の数を決める入口の指標であり、ここに曜日による差があるならば、申請作業の実施日を設計する意味がある。逆に差がないならば、曜日の最適化に工数を割く必要はないことになる。

そこでシン・セールス総合研究所では、つながり申請の実績データをもとに、申請曜日による承認率の差異を調査した。本レポートでは、その結果と、運用設計において優先すべき論点について報告する。

調査概要

本検証は、Emoooveが支援するBtoB企業のLinkedInアウトバウンド運用において実施された、つながり申請の実績データを申請曜日別に集計したものである。なお、本検証は実務環境下で実施されたものであり、承認率には曜日以外の要因(送信者のプロフィール、ターゲットの業界・役職構成、申請時期など)も影響しうる点には留意が必要である。本稿では業界別検証と条件をそろえるため、同検証で対象とした5業界に分類できるデータのみを対象としている。

1. 検証条件

実施主体: 経営コンサルティングサービスを提供する企業の代表者アカウント。既報のLinkedIn検証と同一の運用データである。

申請方法: つながり申請時に、社名と依頼趣旨を伝える短文の挨拶メッセージを添付する運用で統一している。文面は期間全体で数パターンの定型文であり、送付先ごとの個別パーソナライズは行っていない。

ターゲット: 製造業、SIer、建設・不動産業、SaaS、物流・運輸業の企業に所属する、経営層・部長職など、意思決定に関わる層を中心としたリスト。本検証は曜日を比較軸としつつ、業界別検証と同一の対象範囲に限定した。

承認の判定方法: 申請の記録と承認の記録を対象者のLinkedInプロフィールURLで照合し、業界別検証と同一の集計条件にそろえて判定した。

曜日の定義: 申請を実施した日付から算出した曜日である。相手が閲覧・承認した曜日ではない点に留意が必要である。

2. 検証群の定義

検証期間(申請実施期間): 2025年6月5日〜2026年3月26日

対象: 期間中のつながり申請のうち、業界分類が可能な7,455件

比較する7群: 申請日の曜日(月曜日〜日曜日)

評価指標: 各群のつながり申請数に対する、承認数の割合(承認率)

検証結果

データを集計・比較した結果、申請曜日による承認率の差は限定的であり、7曜日全体では統計的に有意な差は確認されなかった。

1. 曜日別の数値比較

各曜日における実績値は以下のとおりである。

曜日別のつながり申請数・承認数・承認率の比較表

承認率は最も高い月曜日で21.7%、最も低い日曜日で17.6%であり、その差は約4.1ポイントであった。平日のみで見ると、最も高い月曜日の21.7%から最も低い水曜日の17.9%までの範囲に収まっている。

2. 曜日間の差の検証

曜日別のつながり申請承認率を比較した棒グラフ。全体平均20.1%との対比

この7曜日の承認・非承認の分布に対して統計的検定(カイ二乗検定)を行ったところ、p値は約0.080となり、一般的な有意水準5%では有意な差は確認されなかった。一方、土日を除いた平日5曜日のみで検定した場合はp値が約0.041となり、5%水準では差が確認された。

平日のうち最も差が大きい月曜日と水曜日の2群比較では、補正を行わない場合のp値は約0.006となる。ただし、比較の回数が増えるほど偶然でも差が出やすくなるため、平日の全10通りの組み合わせを対象に多重比較(ボンフェローニ補正、有意水準0.005)を行ったところ、有意な差のある曜日の組み合わせは確認されなかった。

また、平日と土日を比較した場合の承認率は20.1%対19.3%であり、こちらも有意な差は確認されなかった(p=0.647)。休日に送った申請が明確に不利になるという傾向は、本検証のデータからは見られなかった。

3. 申請数の偏りと承認率の関係

曜日別のつながり申請数と承認率の関係を示したグラフ

一方で、申請数そのものには曜日による大きな偏りが見られた。最多の月曜日は1,772件、最少の日曜日は312件であり、約5.7倍の開きがある。平日のみでも、月曜日と金曜日の間に約3.4倍の差があった。

承認率の差が限定的である一方、この申請数の偏りは成果の総量に直接影響することになる。承認数を最大化する観点では、「どの曜日に送るか」よりも「各曜日にどれだけ申請できているか」のほうが、結果を左右する要素として大きい可能性が示唆される。

考察

なぜ、申請曜日による承認率の差は限定的だったのか。定性的な側面から、以下の要因が考えられる。

1. 申請から承認までに時間があり、「曜日」の影響が薄まっている可能性

本検証のデータにおいて、申請から承認までの日数は中央値で2日、約9割が45日以内であった。申請の多くは当日中に処理されるわけではなく、数日かけて閲覧・処理されている。なお、承認は申請から時間を置いて発生する場合がある。検証期間の終盤に実施した申請は、集計を終えるまでに承認を確認できる期間が短くなるため、そうした申請が多い曜日では承認率がやや低めに出ている可能性がある。

つまり、金曜日に送った申請が週明けに承認されるといったケースが一定数含まれることになる。送信時点の曜日と、相手が実際に閲覧・判断する曜日が一致しないため、送信曜日そのものの効果が薄まっていると推察される。

2. スマートフォンの通知をきっかけに見られるため、曜日の差が出にくい可能性

既報の製造・建設・不動産業界を対象とした検証では、LinkedInを含むSNSはスマートフォンの通知をきっかけに開かれやすいという特性を考察として挙げている。通知から確認されるケースが一定の割合を占めるのであれば、業務時間中にPCを開いているかどうかは、承認するかどうかにあまり関係しなくなる。

休日に送った申請の承認率が平日と大きく変わらなかった結果は、この解釈と矛盾しない。ただし本検証のデータだけでは因果関係を確定できないため、仮説の一つとして捉えるべきである。

3. 電話とつながり申請の性質の違い

テレアポにおいて時間帯が成果に影響しやすいのは、電話が相手の時間をその場で拘束するコミュニケーションであるためと考えられる。相手が会議中や外出中であれば、そもそも接触が成立しない。

一方、つながり申請は、相手が都合の良いタイミングで確認・判断できるコミュニケーションである。テレアポで見られた時間帯による差が、つながり申請の曜日では現れにくかったのは、この性質の違いによるものと考えられる。同じ「タイミング」という言葉でも、チャネルの性質によって重要度が異なる可能性がある。

営業実務への活用

今回の分析結果から導き出される、LinkedInアウトバウンドのアクションプランは以下のとおりである。

1. 申請曜日の最適化を優先しすぎない

「何曜日に申請を送るか」を検討・調整する工数は、本検証の結果を踏まえると優先度が高いとは言いにくい。平日5曜日では全体差が確認されたものの、多重比較後に有意な差のある曜日の組み合わせはなく、休日も明確に不利ではなかった。特定曜日へ申請を集中させる運用ルールを設けても、安定した改善に結びつくとは限らない。

休日を避ける運用も、本検証のデータからは必須とは言えない。担当者の稼働の都合で土日に申請作業が発生する場合も、それ自体が成果を大きく損なう要因にはなりにくいと考えられる。

2. 曜日ではなく「申請できる件数」を管理の軸にする

承認率の差が限定的である一方で、申請数には最大約5.7倍の偏りがあった。承認数を増やす観点では、申請作業に充てる時間を曜日ごとに偏らせず、申請数の総量を確保することのほうが効果的である可能性が高い。

LinkedInにはアカウントごとに申請数の上限が存在するため、上限と稼働の制約を踏まえたうえで、週あたりの申請数を目標値として管理する運用が推奨される。

3. 検証するテーマを、より影響の大きい要素に切り替える

検証に割けるリソースには限りがある。曜日のように安定した差が確認されなかった要素よりも、成果への影響が大きいと見込まれる要素を優先して検証することが合理的である。既報の製造・建設・不動産業界を対象とした検証では、DX・業務改革を切り口とした文面設計や、変革に関与する責任者層へのターゲティングが有効に機能する傾向が確認されている。また、本稿と同一の運用データを用いた業界別の承認率検証では、つながり申請の承認率に業界による差が確認されている。ターゲットの業界・役職や、メッセージの文面設計といった要素のほうが、検証の投資対効果は高いと考えられる。

結論

今回の検証において、LinkedInのつながり申請の承認率は、7曜日全体では統計的に有意な差は確認されなかった。承認率は最も高い月曜日で21.7%、最も低い日曜日で17.6%であり、7曜日のカイ二乗検定ではp値は約0.080であった。平日5曜日ではp値が約0.041となったものの、多重比較後に有意な差のある曜日の組み合わせは確認されず、特定曜日の優位性を確定できる結果ではなかった。

一方で、申請数には曜日によって最大約5.7倍の偏りが存在した。承認数の総量を左右するのは曜日の選定よりも申請数の確保であり、運用設計では申請数の確保を優先するのが妥当と考えられる。

「タイミングが重要である」という経験則は、テレアポのように相手の時間をその場で拘束するチャネルでは成果に影響する傾向が確認されている。しかし、つながり申請のように相手の都合に合わせて確認されるチャネルでは、同じ発想がそのまま当てはまるとは限らない。チャネルの性質に応じて、どの要素に注力すべきかを見極めることが重要である可能性が示唆される。

シン・セールス総合研究所では、今後もデータを蓄積し、より精度の高い検証・発信を続けていく。

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