※本記事は動画の内容を、読みやすいよう記事用に編集・要約したものです。
目次
同じ文面を送っているのに、反応がある会社と、まったく無い会社がある。BtoB営業の現場で、よくいただくご相談です。
反応が出ないとき、まず文面を見直すことが多いと思います。書き出しを変える、送る回数を増やす。そこで良くなることもあります。ただ、ご支援していて多いのは、文面より手前で、そもそも読んでほしい相手のところに届いていない、というものです。
特に、手紙・SNSのダイレクトメッセージ・電話のように、決裁者へ直接連絡する施策では、ここがそのまま結果に出ます。住所が違えば届きませんし、番号が代表電話しかなければ、取り次いでもらうところから始まります。フォームからの問い合わせや、メールの一斉配信とは、必要になる情報が違います。
このページでは、届く営業リストと届かない営業リストが何で分かれるのか、そして作ったリストをどう精査するのかを解説します。
株式会社Emooove(イムーヴ)は、国内最大級の企業・人物データベースと、7つの施策でBtoB企業の商談獲得を代行しています。これまで150社以上をご支援してきました。
1. 営業リストは「会社・人・連絡先」の3つに分けて考える
リストが良い、悪い、という話は、そのままだと直しようがありません。弊社では、3つの段階に分けて考えています。
| 段階 | 決めること | 具体的に必要な情報 |
|---|---|---|
| ①会社 | どの会社に出すか | 業種・規模ではなく、その会社が取った行動 |
| ②人 | その会社の誰に出すか | 氏名・役職・担当領域・現任かどうか |
| ③連絡先 | その人のどの連絡先に出すか | 住所と部署/SNSアカウント/電話番号 |
この3つは、この順番でしか決められません。どの会社に出すかが決まって、その会社の誰に出すかが決まって、そこではじめて、どの連絡先に出すかが決まります。会社の選び方がずれていると、宛名と連絡先をどれだけ丁寧に調べても、届きません。
反応が出ないときは、この3つのどこで落ちているのかを切り分けます。
2. 前提:どこのデータも、そのままでは使えない
弊社は、企業や人物のデータを提供している会社と、これまで複数、契約してきました。自社でデータベースも作っていますが、外部のデータも実際に購入して、中身を突き合わせています。
そのうえで申し上げると、どの提供元のデータにも、そのままでは使えない部分があります。これは、どこかの会社のデータが悪いという話ではありません。データを集める側は、条件に合うものを出すところまでをやっていて、その中身が今も正しいかどうかまでは見ていない。そういう作りだ、ということです。
弊社が上場企業向けの宛先リストを作ったときも、複数の提供元から集めて機械的につないだ直後の状態には、次のようなものが混ざっていました。
- 役職が途中で切れているもの
- 氏名に注釈の記号が付いていて、先頭の文字が欠けているもの
- 氏名の欄に役職が入り込んでいるもの
- すでに退任した人が残っているもの
- グループ会社の社長が、親会社の役員として入っているもの
絞り込みの条件そのものが当てにならないこともあります。あるデータで、上場している区分を条件に絞ったところ、誰でも知っている大きな会社がいくつも抜けていました。その会社のデータ自体はあるのに、区分の情報だけが空だったからです。
買ったデータも、作ったデータも、そのまま送らない。 会社・人・連絡先の順に組み立てて、最後に精査します。
3. ①会社|業種と規模では、いま動いている会社は選べない
業種と従業員規模で絞ったリストは、条件としては分かりやすいのですが、その中にその会社がいまお金を出す理由が入っていません。「製造業で従業員100名以上」という条件に当てはまる会社は何万社もあって、そのうち今この課題で動いている会社は、ごく一部です。
弊社では、その会社が実際に取った行動を条件に足しています。
| 行動 | なぜ効くか |
|---|---|
| 求人を出している | どの部署を強化しているかが、そのまま出ている |
| 広告を出している | 予算が動いている |
| 資金調達をした | 使いみちが決まる前に接触できる |
| 新しい拠点を出した | 設備・人・システムがまとめて動く |
| 展示会に出た | その領域に投資している |
行動で絞ると、その会社を選んだ理由が1社ずつ残ります。この求人票のこの一文、このプレスリリース、というところまで残るので、手紙やメッセージの書き出しに、そのまま使えます。
行動でリストを作る方法は、なぜアポが増えても受注は増えないのかでも、実際の抽出結果つきで解説しています。
4. ②人|役職名からは、担当している領域が読めない
役員の名前は、公開されている情報から集められます。ただ、名前と役職が分かっても、その人が何を担当しているかは、役職名からはほとんど読み取れません。
弊社が上場企業の役員を1万3千人分ほど集めたとき、役職名から担当している領域まで分かったのは、全体の4分の1でした。残りは「取締役」「執行役員」「常務」といった名前だけです。経理を見ているのか、人事なのか、情報システムなのかは、そこからは分かりません。
もうひとつが、その人が今もその役職なのか、です。公開情報は更新が遅れます。年に一度しか更新されないものもあります。半年前に退任した人の名前が、そのまま残っていることは珍しくありません。
情報の出どころで、精度が変わる
役員の情報がどこから来ているかも、見ておいたほうがいいです。
| 出どころ | 精度 |
|---|---|
| 役員一覧そのもの | 役員として正確。ただし役職名が省略されていることがある |
| 名刺の交換記録 | 役員以外の社員が混ざる |
| 求人媒体・SNS | 別の会社の人や、同姓同名の別人が混ざる |
弊社では、複数の提供元を突き合わせて、同じ人が同じ役職で出てくるかを見ています。ひとつの情報源だけで宛名を決めることはしていません。
5. ③連絡先|チャネルごとに、必要なものが違う
3つ目が、その人のどの連絡先に出すか、です。ここはチャネルごとに、必要なものが変わります。
手紙の場合:住所と部署
会社の住所を調べると、たいていは登記上の本社が出てきます。ただ、登記の住所と、実際に決裁者や担当部署がいる場所は、同じとは限りません。
弊社が上場企業の宛先を作ったときは、時価総額の大きい企業のうち、およそ2割で、登記の住所と、実際に部署がある場所が違っていました。創業の地に本社の登記を残したまま、経営の機能は東京にある、という会社です。登記の住所に送ると、その場所に決裁者はいません。
では部署の所在地で選べばいいかというと、ここにも注意点があります。総務や管理という名前の部署だけで拾うと、工場や研究所の総務に当たることがあります。製造業だと本社機能と工場が別の場所にあるので、そのまま届け先にすると、現場に届きます。
弊社では、次の順番で宛先を決めています。
- 経営企画・広報などの本社機能の部署
- 管理部門
- 営業の拠点
- 登記の住所
SNSのダイレクトメッセージの場合:本人のアカウント
ここで確かめるのは、そのアカウントに載っている会社が、いまの勤務先になっているかどうかです。転職した後も、前の会社のままになっていることがあります。役職も、社内で変わったあと更新されていないことがあります。会社名と氏名が一致していても、アカウント側の情報が古ければ、狙っている会社の人ではありません。
電話の場合:番号
代表番号しか無いリストと、部署の直通番号が入っているリストでは、つながり方が変わります。同じ会社、同じ人に連絡していても、番号ひとつで結果が変わります。
6. 精査|AIで全件、人で30件
ここまでで作ったリストを、送る前に精査します。弊社では、AIで全件を検査して、そのうえで人が抜き取りで確かめる、という二段でやっています。
AIで全件
まず、形式の検査です。件数がいくつあっても機械的に通せます。
- 住所が都道府県から始まっているか
- 番地が入っているか
- 氏名に記号や数字が混ざっていないか
- 氏名の欄に役職が入っていないか
- 同じ会社の中に、同じ人が重複していないか
そのうえで、複数の提供元から取った同じ人の情報を並べて、役職が食い違っていないかを見る。会社のホームページや開示資料を見に行って、いまもその役職として載っているかを調べる。ここまで、AIでかなりの部分ができます。人が1件ずつ検索していた作業です。
ただ、AIに任せきりにはできません。たとえば、役職の名前だけを渡して該当する人を探させると、同じ役職の別の人や、別の会社の人を拾ってきます。会社と氏名をそろえて渡して、はじめて精度が出ます。 何を渡すかを設計するのは、人の仕事です。
人で30件
そのうえで、上から30件だけ、人が見ます。AIが通したものが本当に正しいか、実際に調べ直します。30件なら、それほど時間はかかりません。
弊社が上場企業の宛先で同じことをやったときは、複数の提供元から集めて機械的につないだ直後の状態で、そのまま送れるものはおよそ4割でした。残りは、AIと人で直すか、落としています。
この割合は、集め方や対象によって変わります。大事なのは、送る前にこの割合を知っているかどうかです。知らないまま送ると、反応が悪かったときに、原因が文面なのか、リストなのかが分かりません。文面をいくら直しても、連絡先が違っていれば数字は動きません。
7. 明日から手をつけられる3つ
- 30件を調べ直す。 いま使っているリストから30件抜いて、上の項目で調べ直す。そのまま送れるものが何件あるかを数えます。
- 連絡先をチャネルごとに確認する。 手紙なら、登記の住所しか入っていないか。電話なら、代表番号だけになっていないか。ダイレクトメッセージなら、アカウントの勤務先がいまの会社になっているか。
- 抽出条件に行動を1つ足す。 求人でも、広告でも、拠点の開設でも構いません。
まとめ
手紙・ダイレクトメッセージ・電話で決裁者に連絡するとき、反応が出ない原因は、文面より手前にあることが多いです。
営業リストは、会社・人・連絡先の3つに分けて組み立てる。会社は、業種と規模ではなく、その会社が取った行動で選ぶ。人は、役職名だけで判断せず、出どころを見て突き合わせる。連絡先は、チャネルごとに必要なものが違う。そして送る前に、AIで全件を検査して、30件を人が確かめる。
株式会社Emoooveでは、リストの設計から文面、アポの取り方まで含めて商談獲得を代行しています。対象や条件はお客様の状況に合わせて設計してご提案しますので、まずはお気軽にご相談ください。




